第15 回日本音楽療法学会
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第15回日本音楽療法学会関東支部地方大会(茨城)が、高橋多喜子大会長を中心とする茨城県の会員の皆様のご尽力で開催される運びとなりました。今年の7月には、つくば市国際会議場で音楽療法世界大会が開催されます。関東支部が開催支部として取り組んでいる大きな仕事が山場を迎えるこの時期に、同じ茨城県で支部地方大会を開催しよう、という茨城県の会員の皆様の声に、関東支部会員一同息をのみました。「無理をしないで、支部大会は世界大会が終わってからにしては?」という意見も多く聞かれましたが、「関東支部の会員の皆様に水戸に来ていただきたい」という声に引っ張られ、今日を迎えることができました。
成田奈緒子先生から、障がいを持った子供たちのアセスメント・支援方法を脳科学的な検証から導き出すというお話を伺い、シンポジウムでは当事者の方々が登壇され、当事者の立場からご自分たちの「心の声」を投げかけていただく、という企画がされています。わたしたち音楽療法士が日々係らせていただく方々の中には、ご自身の心を言葉で語ることが難しい方々が多くいらっしゃいます。率直な心の声をお聞かせいただき、音楽療法士に求められることは何か、どうすればその声にお応えすることができるのか、を考える機会になるでしょう。またアクセプタンス・コミットメント・セラピーという新しい心理療法のお話しも楽しみです。
東日本大震災後修復された弘道館、梅林をめぐりながら、音楽療法を語り合う良い一日になるでしょう。
大会長あいさつ大会長 高橋多喜子 |
本大会のテーマは「心の声に耳を傾けよう」です。このテーマを柱に特別講演(市民講座)、シンポジウムが行われます。特別講演では、文教大学教育学部教授の成田奈緒子先生が「音楽・リズムで脳とこころを育てる」という題目で、親子でのリズム遊びや音楽を積極的に取り入れることが発達期の脳や障害のある子どもの脳に効果的であることを研究データとともにご紹介くださいます。
またシンポジウムでは若年性アルツハイマー病の方や自閉症スペクトラムの方が登壇され、「心の声」を語っていただくことになっております。シンポジストとしては高齢者領域では千葉病院の小松尚也先生、障がい者領域では山梨から山本久美子先生にそれぞれの立場からお話しをいただきます。また、その総括として、今注目されているアクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)から目白大学の橋稔先生にどのように支援を行っていったらいいのか、まとめをいただきます。そして音楽療法からは何ができるのかなど皆様とともに考えていきたいと思います。
さらに、口演発表、ポスター発表は自分たちの実践をまとめ、振り返る機会であります。そして多くの実践報告について共に考えることは新しい知見を得ることでもあります。応募期間は9月12日から10月31日までとなっております。世界大会、東北大会の締め切り後も十分に時間がありますので、奮ってご応募くださいますようお願い申し上げます。
2月末の水戸は、日本三名園の一つである偕楽園での梅が見事で(梅まつりは2月20日〜3月31日)、水戸藩校である弘道館見学や徳川ミュージアムなど、前日、翌日コースでもお楽しみいただけます。弘道館は梅まつり中、休みなしとなっております。
実行委員一同、張り切って準備いたしております。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。