実行委員長 岩本純子
2017年早春、水戸偕楽園の梅が芳しく香る頃、地方大会茨城を開催いたします。
2017年は、世界大会が学会学術大会の代わりとなりますので、この地方大会が貴重な研究発表の機会になると思います。この大会に研究発表をとお考えの方も多いことでしょう。たくさんの方々の演題のお申し込み、そしてご参加をお待ちしております。
歴史ある街水戸で、大勢の皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。
9:20〜 | 受付 |
||
10:00〜10:10 | 開会式 |
楽器・ 書籍販売 |
|
10:10〜10:40 | 大会長講演 高橋多喜子 「音楽療法の発展に向けて」 |
||
10:40〜10:50 | 休憩(10分) | ||
10:50〜11:50 | 特別講演(市民講座) 成田奈緒子 「音楽・リズムで脳とこころを育てる」 |
||
11:50〜12:40 | 昼休み(50分) | 幹事会(12:00〜12:30) | |
12:40〜13:00 | 総会 |
||
13:00〜13:10 | 休憩(10分) | ||
13:10〜15:00 | シンポジウム 「心の声に耳を傾けよう」 丹野智文、岡田健佑、小松尚也、山本久美子、橋稔 |
||
15:00〜15:10 | 休憩(10分) | ||
15:10〜16:35 | 研究発表・ポスター発表 | ||
16:40〜16:50 | 閉会式 (17:00 クローク終了) |
「音楽療法の発展に向けて」
高橋多喜子(淑徳大学) |
大会長講演として30分いただきました。この30分で音楽療法の発展に向けて何かお話しができればと考えます。
私は認知症高齢者の音楽療法効果について長年、研究をしてきました。最初の頃、音楽療法効果は本当にあるのか、寄席のお笑いとどう違うのか、HDS-Rはなぜ上がったのかなど様々なことを言われてきましたが、認知症高齢者に「なじみの歌」を歌うことが高齢者の行動に変化をもたらすことを単一事例実験デザインで示すことができました。また高齢者の「なじみの歌」とはどんな歌なのかの調査を約800人の高齢者を対象に行いました。そんな20年も前の話を少しさせていただき、次にシスティマティックレビュー(現存する文献の徹底的なレビューを行い定式化した課題について論じるもの。最も強力なエビデンスを生み出す研究法の一つ)を中心に、認知症高齢者の音楽療法効果と言われていることをまとめていきたいと思っております。
今、また、医療の中で音楽療法のエビデンスが注目されています。音楽療法のエビデンスを知ることは重要なことです。臨床家として音楽療法のエビデンスを知り説明できることは、臨床を行う上でクライエントへの説明責任を果たすことにもなります。そしてそのことが国家資格にもつながっていくと思うのです。
<プロフィール>
福岡県に生まれる。国立音楽大学音楽学部楽理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科障害児教育専攻修了、医学博士(順天堂大学医学部)、淑徳大学教育学部教授、日本老年行動科学会常任理事、日本音楽療法学会理事
<著作>
「補完・代替医療 音楽療法 改訂2版」金芳堂、「認知症予防の音楽療法 いきいき魅惑のベル」オンキョウ、「高齢者のからだ・あたま・こころ」日本老年行動科学会DVD 他
「音楽・リズムで脳とこころを育てる」
成田奈緒子(医師・文教大学) |
子どもが一生心身共に健康で幸せに暮らせるための脳の土台は乳幼児期に作られます。だから、この時期には何よりも「きちんと寝て、きちんと食べて、そしてニコニコ楽しく体を動かす」ことが必要なのです。一生困らない良い脳を作るもとは、生活です。
きちんとした生活習慣の中で、親子でのリズム遊びや音楽を積極的に取り入れることが、特に発達期の脳や障害のある子どもの脳に効果的であることを、研究結果とともにご紹介します。
<プロフィール>
文教大学教育学部特別支援教育専修教授、日本小児科学会認定小児科専門医・発達脳科学者、子育て科学アクシス代表
神戸大学医学部卒業、医学博士。日本小児科学会認定小児科専門医、米国セン卜ルイスワシン卜ン大学医学部リサーチアソシエート、獨協医科大学越谷病院小児科助手、筑波大学基礎医学系講師を歴任し、小児科の臨床と基礎研究に従事する。2009年より文教大学教育学部特別支援教育専修教授、兼、茨城県発達障害者支援センターと茨城県土浦児童相談所の嘱託医等を兼任。牛久愛和病院小児科での専門外来も開設しており、小児期のさまざまな精神心理疾患の外来診療にも携わっている。2014年からは医学・心理・教育・福祉を包括した専門家団による新たな親支援事業「子育て科学アクシス」を開設、代表に就任。また、文部科学省や東京都教育委員会などで子どもの生活習慣を科学的に考える育児、教育ヘの提言・社会活動を行っている。
<著作>
「『睡眠第一!』ですべてうまくいく」双葉社、「早起きリズムで脳を育てる」芽ばえ社、「小学生ママのしんぱい百科 家庭編」小学館、「脳の進化で子どもが育つ」芽ばえ社、「なぜ?がなるほど!に変わる本」ブレーン社、「赤ちゃんの脳とこころを育てる親子レッスン」ブティック社、「脳の鍛え方 育てかた」すばる舎 他
「心の声に耳を傾けよう」をテーマにシンポジウムが開催されます。「こころの声」とは、クライエントの声だけではなく、私たちセラピストの「こころの声」とも考えられますが、ここではクライエントの「こころの声」に焦点をあてて考えていきます。
若年性アルツハイマー病の方や自閉症スペクトラムの方がご登壇され、理論で学ぶものとは異なる具体的な「声」に触れることによって、私たちにできることは何なのか、音楽で何ができるのかをフロアの皆様と考えていきたいと思っております。
また多くの解決法を持っているといわれるアクセプタンス・コミットメントセラピーとはどんな手法なのか、この手法に音楽を取り入れることはできるのか、どんな形になるのかなど考えていきたいと思っております。皆様からの忌憚のないご意見をお待ち申し上げております。
丹野智文 |
岡田健佑 |
小松尚也(同和会千葉病院・認知症疾患医療センター) |
山本久美子(東京芸術大学) |
橋稔(目白大学) |
座長 野上哲夫 |