自然豊かな山梨ならではの企画を用意いたしました。「宇宙、ポエム、リズムで想像性は育まれる。」と題して行われるシンポジウムの後、プラネタリウムを思わせる会場で特別講演を行います。いのちや想像力の原点である星や音楽を身体で感じ、今私たちが最も大切にしたいことは何なのかを思い起こす一時にしたいと思います。研究発表は多くの方からの積極的な参加をお待ちしています。
9:00〜 |
受付開始 |
1F イベントスペース
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9:20〜9:30 |
開会式 |
1F イベントスペース
※クロークは1F 交流ルーム104
(16:40 までご利用可能です) |
9:30〜9:50 |
大会長講演 :山本久美子
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休憩(10分) |
10:00〜12:00 |
シンポジウム
(松井紀和、佐治晴夫、遠山文吉、覚和歌子)
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1F イベントスペース |
昼休み(60分) |
幹事会(12:00〜12:30)1F 交流ルーム102 |
13:00〜13:20 |
総会
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2F 多目的ホール |
休憩(10分) |
13:30〜15:00 |
特別講演 :高橋真理子 |
1F イベントスペース |
休憩(10分) |
15:10〜16:10 |
研究発表 |
[口演発表]
・1F イベントスペース(2ヶ所)
・1F 交流ルーム101・102
・2F 多目的ホール
[ポスター発表]
2F 交流ルーム201・202 |
休憩(10分) |
16:20〜16:30 |
閉会式 |
1F イベントスペース |
大会長講演 9:30〜9:50 1F イベントスペース
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「音楽を通して、子どもとつくる小宇宙」
山本 久美子(宇都宮短期大学)
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私の音楽療法のスタートは養護学校に赴任した時でした。以来、教育の中に音楽療法を取り入れつつ、実践してきました。良い教師は良い音楽療法士、良い音楽療法士は良い教師といわれます。音楽教育と音楽療法は、子どもの発達や成長を促進し、社会的な自立を支援し、目指すところは同じです。それぞれの違いを理解しつつ、子どもの実態に合わせて、最も適切な空間や時間を用意することが大切です。
平成21年の学習指導要領の改訂とそれに伴った音楽科教科書の改訂にかかわった経緯から、音楽療法の考えや技法を、徐々に取り入れた状況とその影響の実際について、触れたいと思います。
教育現場のもう一つの特色は、地域で子どもを育てていこうという流れです。障害の有無にかかわらず、人々がお互いを尊重しながら共生していく社会の実現が求められています。学校を卒業しても地域とつながり、社会とつながるために、音楽が果たす役割は大きいと思います。ここでは、町の光を落として星を見るライトダウン甲府バレーの取り組みに参加し、仲間たちと詩や歌を通して交流する山の都ふれあいコンサートの活動を紹介します。
<プロフィール>
宇都宮短期大学教授。東京藝術大学非常勤講師。武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。山梨県の特別支援学校で33年間勤務。音楽療法を用いて実践。山梨の障がい児臨床現場で音楽療法実践。
シンポジウム 10:00〜12:00 1F イベントスペース
「宇宙・ポエム・リズムで想像性は育まれる」
二日目のシンポジウムでは、「宇宙・ポエム・リズムで想像性は育まれる」をテーマに、座長及びシンポジストそれぞれの専門的な知見や経験から、様々なお話を交わして頂きます。
あらゆるものごとの根源にある原理を、宇宙・ポエム・リズムなどのキーワードと共にひもといていくことで、音楽の本質や力、可能性などを掘り下げていきます。きっと、音楽療法のより深い部分を理解するきっかけになるはずです。
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座長(司会) 松井 紀和
<プロフィール>
医学博士、日本臨床心理研究所所長、山梨日下部病院院長、山梨大学教授、北海道医療大学教授歴任。1955年より、病院内で音楽療法を実践。臨床における第一人者として知られている。著書「音楽療法の手引き」「音楽療法の実際」他多数。
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シンポジストのご紹介
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「太陽系の外からバッハが聞こえる!」
佐治 晴夫(理学博士(理論物理学))
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1977年9月5日、太陽系・外惑星探査を目的として打ち上げられたNASAの宇宙探査機、ボイジャーには、未知との遭遇を想定して一枚のレコードが搭載されている。それは音情報が文字情報よりはるかに根源的、かつ有用な地球からのメッセージ伝達手段であるという事実に基づいている。本講義では、宇宙空間を満たしている電波音の紹介も含め、宇宙の根底にある数学的規則と音楽との関わりを考え、人間存在の不可思議に迫りたいと思う。
<プロフィール>
1935年東京生まれ。理学博士(理論物理学)。日本文藝家協会所属。JAXA宇宙連詩編纂委員会委員長。大阪音楽大学客員教授。量子論的無からの宇宙創生にかかわる「ゆらぎ」の理論的研究で知られる。代表的最新刊として「THE ANSWERS―すべての答えは宇宙にある!(マガジンハウス)」「量子は不確定性原理のゆりかごで宇宙の夢をみる(トランスビュー)」などがある。
<関連サイト>
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資生堂グループ BinoBaレポート 宮沢りえ×佐治晴夫
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佐治 晴夫さん - 考える高校生のためのサイト「マンモTV」
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「詩(うた)と宇宙の気になる関係」
覚 和歌子(詩人・音楽家)
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それまでないがしろにしていた身体に、耳をすますことを覚えてから、言葉の呼吸が力づよさと深みを持つようになりました。宇宙がリアリティを持ち、他人事ではなく「自分ごと」になりました。三次元の地面を自分の足裏に確かめて、その感覚を精妙に周到に言語化していくとき、想像力は創造力へと熟成していきます。言葉でわたしたちの未来は変えられる。そんな発想を楽しく分かち合えればさいわいです。
<プロフィール>
詩人・音楽家 早大卒。平原綾香、SMAP、夏川りみなどに多く作詞提供。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも』作詞でレコ大金賞。日本アカデミー賞協会特別賞(主題歌賞)など。08年「星つむぎの歌(歌/平原綾香)」の公募作詞企画を監修・選定・補作。朗読、自唱ライブ、舞台演出、映画監督、脚本、翻訳、絵本創作など詩作を軸足に活動は多岐にわたる。著書、CD多数。
<関連サイト>
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作詞をした覚和歌子 本人が歌う「いつも何度でも」 - YouTube
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覚和歌子 公認公式ファンサイト 風雲うたよみギムナジウム
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「地面の中から生まれ出る生き物たち
〜いったい、地面の中はどうなっているのだろうか?〜」
遠山 文吉(音楽療法士)
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およそ地球上の多くの植物たちは、地面の中から生まれ出て大きく成長する。春には、草も木も個体毎に温度・湿度等の変化を感じ取って一斉に芽を吹き出す。小動物や昆虫の中には土の中で生活するものも少なくない。地面の中は、生き物たちの揺り籠なのである。生物たちは、それぞれに環境の変化を甘受し、それに適応しながら生きている。このような変化への対応には<自然界に見られるリズム>とも言えるものが含まれている。これを「人間関係」や「音楽」のリズムと繋げて考えてみることはできないものか?
<プロフィール>
所沢市かしの木学園、国立久里浜養護学校、宇都宮大学教育学部附属養護学校に勤務し、国立音楽大学教授、東京藝術大学応用音楽学招聘教授を歴任。
【著書】「知的障害のある子どもへの音楽療法」編著など。
特別講演 13:30〜15:00 1F イベントスペース
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「Space Fantasy Live
〜星と音楽と私たちをつないで〜」
高橋 真理子(宙先(そらさき)案内人、星空工房アルリシャ代表、山梨県立科学館アドバイザー)
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星空は、地球上の生命にとって唯一の共有の風景です。星空を見上げ、「私たちはどこからきてどこに向かうのか」という根源的な問いに、人々は長い間向き合い、時間や空間の概念からはじまる多くの知を得てきました。今は、科学の言葉で、私たちがどんな宇宙に住んでいるのか、ということをだいぶ表現できるようになったのと同時に、わからないこともさらに増えてきています。この講演は、最新スペースエンジン・UNIVIEW による迫力の映像と音楽と語りが融合した、他で類をみないスタイルで行っています。この物語性を支えているのは、作曲家・ピアニストの小林真人氏の音楽です。
誰もが「共に感じることのできる」星空と音楽。広大な宇宙の中に、奇跡的に生きる「いのち」に想いを馳せる、想像と創造の時間をお楽しみいただければと思います。
<プロフィール>
宙先(そらさき)案内人)。山梨県立科学館開館時より天文担当として、プラネタリウム番組制作、全国に広がった「星つむぎの歌」の企画、市民グループ「星の語り部」活動など、人々が主体的に参加できる仕組みを取り入れた、多様な活動を展開。「つなぐ」「つたえる」「つくる」を仕事のキーワードに星を介して、様々な分野や人をつないでいる。
2013年より独立して、これまでの活動を自ら「とどける」仕事へ。特に、長期入院の子どもたちや難病や障害を持つ方々のための「病院がプラネタリウム」プロジェクトに力を入れている。見えない人や聞こえない人との活動、被災地での活動も数多くこなす。
星空工房アルリシャ代表。山梨県立科学館天文アドバイザー。
日本大学芸術学部、山梨県立大学、帝京科学大学非常勤講師。
<関連サイト>
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公式ウェブサイト
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Malicosmos―高橋真理子の小宇宙
※この特別講演は県民向けセミナー(一般公開)としても開催されます。